DHAについて
妊娠後期〜授乳中

チェックDHAってどんな栄養素?

DHAは正式には、「ドコサヘキサエン酸」といい、n-3系の多価不飽和脂肪酸の一種です。 DHAを含むn-3系脂肪酸は、体内では合成できません。日々の食事から摂取しなければならないため、必須脂肪酸とも呼ばれています。

脂肪酸は、バターやラードなど常温で固体の油に多く含まれる飽和脂肪酸と、植物油や魚の油など常温で液体の脂に多く含まれる不飽和脂肪酸に分類され、 DHAは不飽和脂肪酸、さらに不飽和脂肪酸の中のn-3系の多価不飽和脂肪酸に分類されます。

DHAは、人間の脳や目の網膜、母乳などに多く含まれています。妊娠中に母親が摂取したDHAは、胎盤を通して胎児に移行することが知られており、 また、授乳中の母親が摂取したDHAの量が、母乳に含まれるDHAの量にも関係していることが研究で分かっています。
妊娠中から授乳期にかけては、ご自身のためだけではなく、赤ちゃんのためにもしっかりとDHAを摂りたいですね。

チェックDHAが摂れる食材は?

DHAはサンマやイワシ、アジ、カツオ、マグロなど背の青い魚に多く含まれています。
「日本食品標準成分表2020年版(八訂) 」によると、肉類の一部にもDHAを少量含んでいるものがあるようですが、必要量を摂取するには大量に食べなければならず、 それだけで1日の必要量をまかなおうとするのは現実的ではありません。DHAを食事から効率よく摂取するには、やはり上に挙げたような魚を食べることがおすすめです。

DHAの多い食材(可食部100g中)

〇さんま(皮つき・焼き) 2,000mg
〇まいわし(焼き) 980mg
〇まあじ(皮つき・焼き) 820mg

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、1日のn-3系脂肪酸(αリノレン酸やDHA、EPAの合計)の目安量として、妊婦で1,600mg/日、授乳婦で1,800mgとされています。
厚生労働省が公表している「令和元年国民健康・栄養調査」によると、日本人の1日当たりの魚介類の摂取量は64.1gとなっており、1989年の同調査では96.2gでしたので、30年間で約3分の2に減少しています。
DHAが多く含まれる魚介類を食べる量が減っているということは、DHAを食事で摂る機会も減ってしまっている可能性があります。 ご自身の普段の食事を思い出してみて、日々の食事で魚を食べる機会が少ないと感じた場合には、これから意識して取り入れてみましょう。

チェック手軽に日々の食事にDHAを取り入れる工夫

最近では食品スーパーやインターネットの通販サイトなどで、いろいろな種類の魚の缶詰が販売されています。 缶詰には、サバやサンマ、イワシなどDHAを多く含んだ魚を使ったものも多くあります。魚をイチから調理するのが手間だという時でも缶詰であれば 手軽に日々の食事に取り入れることができますので積極的に活用しましょう。

缶詰は魚の身だけではなく、煮汁にもDHAが溶け出しているので有効に使うと、余すことなくDHAが摂れます。
例えばサバの水煮缶であれば、サバの身は大根おろしや刻んだネギなどと和えて食べて、残った煮汁はお味噌汁に出汁代わりに加えてみるのもいいでしょう。

妊娠中に魚を食べる際に気をつけたいこと

食中毒について

母子健康手帳では、妊娠中の食中毒について下記の通り注意喚起しています。
「妊娠中は、免疫機能が低下して、食中毒など食べ物が原因の病気にかかりやすくなっています。 妊婦にとって特に注意が必要な病原体として、リステリア菌とトキソプラズマ原虫が挙げられます。また、お母さんに症状が無くても、赤ちゃんに食品中の病原体の影響が起きることがあります。 感染を防ぐため、妊娠中は生ハムや加熱殺菌していないナチュラルチーズなどをなるべく避け、食品を十分に加熱して食べましょう。 そして、食中毒予防のために、日頃から食品を十分に洗浄し、加熱するなど、その取扱いに注意しましょう。」
(厚生労働省HP「母子手帳について」にアップされているPDFより引用)
お刺身やお寿司など、生の魚を食べる時にもリステリアのリスクが高まると言われています。妊娠中は生の魚は控えた方が無難です。

水銀について

魚は良質なたんぱく質やDHA、カルシウムなどを含み妊婦さんにとって欠かせない食品ですが、魚の種類によっては食物連鎖によって取り込まれた水銀が、 お母さんを通して胎児に影響する可能性があります。厚生労働省は、「これからママになるあなたへ お魚について知っておいてほしいこと」というパンフレットの中で、 妊娠中に魚を食べる際に気をつけてほしいこととして、種類と量について触れています。

小さい生き物が大きい生き物に食べられ、そしてもっと大きな生き物に食べられていくことを食物連鎖と呼びます。 魚の場合も、小さな魚を大きな魚が食べるという食物連鎖が存在します。大きい魚は小さい魚を食べることでそれらが体に蓄積していたものを体内に取込むことになります。
小さい魚も微量ではありますが水銀を含んでいるので、小さな魚を食べる大きな魚には食べた魚の水銀が蓄積していきます。 そのため一般的には、大きい魚は小さい魚に比べて自然と多くの水銀を含んでいることになります。

普段の食事を通じて私たちのからだの中に取り込んでいる水銀の量は、健康に影響を与えるような量ではありません。 また、からだの中に取り込んだ水銀は徐々に体外に排出されていきます。そのため平均的な食生活をしている限り、水銀が過剰にからだの中に溜まっていくことはなく、健康への影響を心配するようなものではありません。

ただ、妊娠中の場合は、お母さんが食べる魚の中に含まれる水銀の量が一定以上になった時におなかの中の赤ちゃんに影響を与える可能性が指摘されています。 その理由のひとつはおなかの中の赤ちゃんは、お母さんから取り込んだ水銀を体外に出すことができないからです。
ですので、妊娠中にはクロマグロ(本マグロ)やミナミマグロ(インドマグロ)、キンメダイなどの魚については1週間当たりに食べる量に注意が必要です。
これらの魚の食べる量は、いずれかを1週間に80g(80gなら1回、40gなら2回)までにしてください。
食べる頻度や量に注意が必要な魚の詳細は、厚生労働省が公表している、「これからママになるあなたへ お魚について知っておいてほしいこと」をご覧ください。

同じパンフレットの中で、「特に注意が必要でないもの」として紹介されているものもあります。
キハダ、ビンナガ、メジマグロ、サケ、アジ、サバ、イワシ、サンマ、タイ、ブリ、カツオなどです。また、ツナ缶についても調査結果から水銀含有量が低いことが確認されており、特に注意が必要ではない、としています。
こちらに挙げられている魚はスーパーや鮮魚店などの身近な場所で手軽に手に入るものも多いですので、普段の食事ではこれらの魚を積極的に取り入れるようにしましょう。

雪印ビーンスタークのDHAが摂れる商品をご紹介します

雪印ビーンスタークでは、妊娠中から授乳中にDHAが手軽に摂れるママ用のサプリメントとして、「ビーンスタークマム 赤ちゃんに届くDHA」という商品があります。
「ビーンスタークマム 赤ちゃんに届くDHA」はカツオとマグロの精製魚油を使用していて、1日3粒で350mgのDHAを摂ることができる、水で飲むソフトカプセルタイプのサプリメントです。
原料となる精製魚油は全ロットに水銀調査を行っているので安心してお使いいただけます。

サプリメントはとりたい栄養素を手軽にとることができるメリットがありますが、それだけに摂り過ぎになりやすくもあります。DHAのサプリメントに限りませんが、商品パッケージに記載された1日あたりの目安量(粒数など)を守ってお召しあがりください。
食事は、ごはんやパン、麺など炭水化物を多く含んで、エネルギーの基となる「主食」と、魚や肉、卵、大豆製品などを使って、たんぱく質や脂質を多く含む「主菜」、 ビタミンやミネラルを多く含む野菜やきのこ、いも、海藻などを使った「副菜」、牛乳・乳製品や果物などをバランスよくとるようにしましょう。

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